私がイスラエルでスタートアップに会う際、大切だと思う10の視点 | Isratech / イスラテック

私がイスラエルでスタートアップに会う際、大切だと思う10の視点



(イスラエルで開催されるカンファレンス)

イスラテックの代表加藤です。

日増しにイスラエルのスタートアップの情報が増え、また、会える確度はかつてないほど高まり嬉しいことであります。書けないことはたくさんありますが、書けることだけで、過去経験上大事だと思うことをまとめてみました。

1.いいスタートアップかどうか

「いいスタートアップを教えてほしい。紹介してほしい。」

と、いまだに言われますが、以下が分からないとほぼ無理です。

-領域
数多あるハイテク領域のどの分野か Specific(特定の)なほどいい

-目的
先方に何しに来たのか?と言われるレベルは、最低限クリアしたい。

上記をクリアにしていないと、会ってもいいスタートアップかどうか、そもそもわからないですし、紹介する際も、スタートアップ側が何かしらのメリットを享受できない場合は、非常に紹介しづらいです。

2.専門性

いいスタートアップを紹介されても、自分(自社)が判断、評価できる目を持っていないと無意味。
-本当にいいスタートアップに会っても、そもそも判断できない。
-他社から注目されていない、世間の評価を受けていないスタートアップでも、しっかりとした技術、コンセプトを持った企業は存在する。

これは逆も然り。

「イスラエルのスタートアップにあなたの会社の技術の詳細を教えてほしい」

と質問して、はぐらかされる場合もあれば、各要素技術の解説をしだし、説明が止まらなくなるパターンなど様々。

「私は、分からない場合は分からない」と、嘘はつかないようにしています。

3.日本で会えるスタートアップ

松竹梅の「竹」までのスタートアップにしか会えないと思った方がいい。
9段階で行くと、上の下から中の上ぐらいまで。

それ以上は、現地まで出かけないと会えない印象が強い。
と、個人的には思っている。

また、会えるタイミングがどうしても遅くなる。

4.情報

いわゆるデータ上(Desktop上)の情報で分かることとそうでないことをきっちり区別する

かつ、

伝聞情報は本当にあてにならないので、一次情報を確認すること

私は一次情報(人と会って自分が得た情報)以外は、参考情報程度にとどめます。

5.意志決定

スタートアップのCEOと日本企業の担当者、決められることの幅に天と地の差がある。

スタートアップに会う場合、日本企業側は担当者でも、10人以下のスタートアップは、ビジネス開発担当がおらず、担当が、CEOであることが結構多い。
最初からそれを思ってコミュニケーションを始めること。

大手企業は、できるだけ意志決定権のある人がいった方がいいし、
そうでない場合は、最低、2.専門性はクリアしたい。
意志決定者でなくても、2.専門性をクリアして、話が分かる人間が来たと向こうが思えば、次回以降会ってもらいやすい。

いいスタートアップのCEOに、よくない印象が残ると、次はない。そういう評判は、その領域のスタートアップまで広がると思った方がいい。悪事千里を走る。

6.紹介

双方にメリットがないと、安易に紹介を受けないこと。しないこと。

紹介してもらう相手が、1.2.のフィルターを通っていれば、ベストだが、
安易に受けて会っても、

「何かあったらお願いします」

と別れるような相手とは、何もないと思った方がいい。

7.現地MeetUp、カンファレンス

人に会うには、よりよい。(お互い気構えなくていいから)

ただ、MeetUpやカンファレンスで出会った相手とその場で提携等に至ることは、ほぼない。雰囲気は分かるが、過度の期待は禁物。
イケてるカンファレンスに行っても、いいスタートアップのピッチは聞けるレベルと思った方がいい。

8.ネットワーク

狭いけど深い。

しっかりしている人は、

「その領域に詳しくはなく、私の専門領域はこの領域なので、この領域はまず、この人に聞いた方がいいんじゃないか、としっかり答えてくれる。」

浅い所ではネットワークは狭いが、深いところに入ると隣が分からなくなる。

のが、イスラエルだと思っている。

「Everybody knows Everybody」 は、事実である。

ただ、それは、浅い所では繋がっているということで、外から見たいわゆる業界のライトパーソン的な人はある程度分かるが、深いところはそうでもない。業界に入ると、ライトパーソン的な人の評価が変わることも日常茶飯事。

9.誠意

信頼は誠意から醸成される。
自己中心的にならない。エコシステムに僅かでも貢献していく姿勢。(スタートアップ、起業家であっても気持ちと議論と小さな行動が大事)

10.10年一区切り

私もイスラエルと関わるようになって13年目に突入する。
(ユダヤの歴史からしたら0.2%ぐらい)入り口の入り口には立てたぐらいだろうか。

2~3日できること、
2~3か月やっていて分かり、できること、
2~3年程度やらないと、分からないこと、
10年程度やっても分からないこと、

イスラエルのハイテク業界は、30年ぐらいの歴史。
(長ければいいという訳でもないが…)やはり、10年以上、イスラエル界隈にいる方の情報の厚み、現地での付き合いの幅、深さ、実際にビジネスを進めていく上での苦労、実践者でしか出くわさない失敗、成功、やはり、10年が1つの判断目安?

と思っている。

お蔭さまで私は「縁」には非常に恵まれている。

会うたびに業界が変わっている人、紹介してくる企業が毎回変わる人、儲かるだけと思って参入してきている人は、やはり、相手にも非常に紹介しづらい。

あるスタートアップと会った際でも、経験値がある人、専門領域を持っている人は、見えている範囲が広いし、スタートアップがやろうとしている事への理解が速いし深堀できる。

こんなことを色々書いていますが、特に若い人でリスクが取れる人、起業家精神がある人、イスラエルに行ってみたい人は、ガンガンイスラエルに乗り込んで行ってほしいと思います。

 

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