注目のイスラエル企業① | Isratech / イスラテック

注目のイスラエル企業①



加藤:現在の活動をしているとよく勘違いされますが、あくまで日本人なので、日本へ有益な情報を出したいというのがあります。イスラエルを、神聖化する気は、毛頭ない。

ただ、イスラエルの会社情報を扱うので、彼らにとってもメリットのある情報を出したい。

春田:そこは、ニュートラルで。双方で、Win-Win というか。

例えば、イスラエルの会社といえば、セキュリティっていったら…「イスラエル強いですね。」 って知っている方は結構いるはずです。

ただ、モヤッとしている…。軍事面のセキュリティやっている会社もあれば、民生品、エンタープライズ系、金融系、組み込み系をやっているところ、様々ある。事例を集めていくと、本当に強い分野が分かってくるかもしれませんね。

加藤:御社に限ったことではなく、R&D 機能がイスラエルへあるメリットは、大きいのでしょうか。

例えば、日本のメーカが、御社と同等の技術を持っていたとして、Intel 社のチップへ入れたい場合、米国かイスラエルの研究開発拠点へダイレクトにアタックしないとダメじゃないですか。

春田:ご存知の通り、環境が故に、イスラエルは国内に市場がないので、作っても技術の売り先を、最初から国外へ見ないといけない。技術の開発の仕方もそうなる。顧客も、1 社だけとか、ある国だけということではなく、開発の二度手間をしたくないので、同じものをいかに売るかという戦略になる。

ある顧客向けのプロジェクト、カスタマイズでも、なるべく汎用化して、特定のお客さん向けのプロジェクトで作ったソフトだとしても、再販をしたい。IP ( 知的財産 ) 自体は、顧客へ属さず、自社のコアにして、いかに再販できるよう作りこむかは、常に考えている。

日本は、受注開発、自社開発が多いので、社内で開発するにしても、明確にこのプロダクト向けの必要な要素技術という開発になるでしょう。例えば、あるプロジェクトがあった場合、開発者のミッションが「あるプロダクト向けに最適なものを作る」ことになる。そこだけを見て開発するので、そうすると、出来上がった後、そこにはフィットするのだけれど、それ以外の所で技術の再利用が、難しくなる、ことが多いかと。

ソフトウェアのエンジニアリング、ハードウェアのモジュール化など、一般論的なことは兎も角、最終的には、カスタマイズ、自社内のみで使うもの、または、外販も日本の国内顧客のみが対象となっている。

いわゆる、「汎用化」「次の再利用の効率」、という視点が抜けてしまう。いい意味でいうと、日本には、使うマーケットがあるからそれでもいい。

一方、イスラエルは国内に市場がないので、イスラエルの企業は、開発の初期段階からそういう開発視点に立たざるを得ない。 今開発している技術が 「いかに高く売れるのか」「何個売れるのか」 という所にフォーカスしてデザインしていく。

加藤:スキルとかノウハウは関係なくて、意識だけの問題ですね。そういう開発視点に立たないと、イスラエルの国内市場にある Inetl 社やその他の多くのテクノロジー企業の R&D 施設は、常にグローバル展開を考えていますから、受け入れられない。当然、そうしないと企業として売上は立たないので、そういう考え方となる。ごく普通のロジック。

春田:そうですね。

日本の開発会社も、最初は、ある会社だけ向いて、ある特定の会社の開発だけをしていれば、それだけで、1 年、2 年分の売上が立てば、それはそれでいい。

ただ、コアのエッセンスをうまく抽出できれば、海外の大手でも十分使ってもらえるような、優れた技術かもしれない。その先も、売上がある程度立つような場合だと、日の目を見ずに、特定の会社だけに使われている技術は結構あるかもしれない。

イスラエルとしては、ビジネスをやる際、根底の発想として、特定の会社だけと付き合うのではなく、技術・ソリューションメーカとして、いかにやっていくか、自社技術をスタンダードのパッケージにして、競合企業に比べいかにいいものにしていくか、という発想がある。

加藤:注目しているイスラエルの会社はありますか?

春田:PrimeSense 社とかですかね。MicroSoft 社の Xbox™ で採用が決まった 3D モーションセンシング技術の会社。 エンターテイメントやインダストリー機器でも使えるというので。

加藤:CMOS のイメージセンサーですね。

春田:生活は激変しませんが、確かなイノベーションですね。iPhone™ でタッチパネルのユーザーインターフェイスの敷居が低くなり、iPad™ とか出れば、本の読み方も変わるかもしれない。

PrimeSense 社 のモーションセンシング技術に基づき、ユーザーインターフェイスは、変わる可能性を持っている。キーボードでタイピングする必要はないですからね。人のユーザーインターフェイスを変える可能性を持った要素技術かなと。

-PrimeSense 社 の Introduciton

2013年の7月にPrimeSenses社は、Apple社に買収され、2016年時点では、R&D拠点として機能している。(2016年10月追記)

 

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