[会社紹介Vol.5]TytoCare-後半 | Isratech / イスラテック

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[会社紹介Vol.5]TytoCare-後半



イスラエルのデジタルヘルス領域は、政府系機関 Israel Innovation Authority による、バイオテクノロジーや医療などのデジタル医療分野におけるイスラエルのリーダーシップを高めることを目的とした 6 年間のプログラムの一環として、Medtronic、GE Healthcare、Change Healthcare に 3,300 万ドルの助成金を発表するなど、積極的に支援しています。
前半に続き今回も TytoCare 社についてお聞きしていきます。

URL : https://www.tytocare.com/

日本ではアップルウォッチの様に、機能があっても、法整備が進まないために使用できない状況があります。日本は、医療分野では進んでいると感じますが、TytoCare の様な遠隔医療システムや端末が日本で浸透していくことで、日本の医療業界はどの様なイノベーションが起きて行くと考えられますか?

2015年に、日本の厚生労働省は、医療提供のデジタルヘルスケア分野を大幅に自由化したことで、これらの技術の開発においては急速な進歩への針路はとっていると思います。
現在、大手製薬会社は、センサーや通信技術、解析技術分野を専門とする他の会社と共同で、デジタルヘルス分野での開発を進めているので、期待したいです。

日本では、少子高齢化による社会全体の社会保障費負担が切実な課題ですよね。

はい、そうした確実に迫ってくる課題に対してデジタル領域の進歩は、高齢化社会の日本においては非常に有効でしょう。
病院、診療所へ行くことが難しいお年寄りが病院へ行かずとも、自身やその家族によって、診療や診療の手助けを行えることは、「患者」「医療従事者」「国の収支」を考えても重要なことだと考えます。
日本企業は、さまざまな国で先行してデジタルヘルスケア技術を開発している企業から、イノベーションとデジタルヘルスケア技術についてを学ぶ機会を持つことが重要でしょう。
また、先ほど申し上げた「機器(いわゆる診療するための数値をデジタル化までコストがかからない)」と「診療判断」と「診療(オンライン)」のセットに加え、「適正な導入コスト」や「人口一人当たりの専門医の不均衡を是正」するような領域は、今後イノベーションが起こってくるでしょう。
個人的には、そのような技術、診断方法をは日本で実施することはできると思いますが、政府(法律面)、医療機関、その診断方法を必要とする患者の協力など、その技術をその場所のニーズと文化に適応させていく必要があり、これらを誰がどういうリーダーシップを持って取り組んでいくかによるのではないでしょうか。

実際のドクターの診断が 24 時間受けられるということですが、イスラエルではどれくらい需要がありますか?

夜間のイスラエルでは、日本と同じように通常の診療所が閉まっている間は、救急センターに行って医師の診察を受けることができます。イスラエルでも、患者が、登録されている医療サービスに応じて、病院に行かずに自宅から医師に相談できるサービスの需要はあると考えます。

どのようにドクターとシームレスに連携し、どのように報酬を払うのでしょうか?

同社の見積もりは 300 ドル(毎月の購読料を除く)であり、そしてタブレットと他のテストアクセサリーを含む医療キットは、およそ 1,000 ドルです。
イスラエルでは、Clalit Health Clinics が機器の価格を被保険者に補助しています。
これは 450 NIS (日本円で 1.3 ~ 1.4 万円) です。救命救急(おそらく Tyto の場合でも)で働く医師はより多くの報酬を得ています。

離島の様な場所など、ドクターが少ないエリアでは特に有効な技術ですが、ドクター不足の昨今では、実際の診療と同時に遠隔医療も実施することは難しいのではないでしょうか?

離島、過疎地のようなところのドクター不足の問題においては、やはり診療所までのアクセスの問題が多いです。
片道3時間、4時間かかる、高齢のため交通手段が限られるなど、だからこそ遠隔医療が必要です。実は、人口一人当たりの医者の数は、足りています。そして、都市部などの人口集中地のほうが、ドクター不足が深刻で、都内の大病院だと診療まで、2、3時間待つとかが平気で起こります。
人口一人当たりのドクターの数を、各地域相関的に見ると、余裕がある地域がある。そのドクターによって都市部のオンライン診療が可能な人を受診できるようにすることでその問題が解決できるのではと考えます。過疎地でなくても、オンライン化診療(最初は通院回数を減らす)は医療最適化の重要な鍵となるでしょう。このように現在のドクター不足の問題と遠隔医療の問題を正確に捉え、最適化を考えるのが今後、日本におけるデジタル医療デバイス役割ではないかと考えます。

日本でデジタルヘルスケアを発展させるためには、どのようなことが必要であり課題でしょうか?

現在製薬会社は、デジタルヘルスが創薬、臨床開発、および商品化に大きく影響を与えることを認識していて、デジタルヘルス分野に参加することへの熱量は非常に高いです。
そうしたこともあり、現在、大手製薬会社は、スタートアップ企業を含む、さまざまな技術分野を専門とする他の企業との共同で、デジタルヘルス分野での活動をスタートしています。
日本では、2017 年 5 月に改正個人情報保護法が施行により一定の条件下で匿名化された個人情報を利用が可能になりました。匿名化され、統計的に処理されたデータが、サービス提供と新規事業の創出を改善するために使用できるのではないかと考えます。
Tyto のようなデバイスは個人情報を保存し、日本企業が外部のアイデアに対し、これを開示することに同意すれば、多くの技術を開発することができるでしょう。

そうした日本の状況を踏まえ、欧米やイスラエルの技術をどのように利用していくことが大事でしょうか?

例えば、米国においては、最先端の医療機器を製造する研究開発集約型の巨大企業があり、これが世界市場の 40 %を占めるともいわれています。神経刺激装置、ステント技術、バイオマーカー、ロボット支援、および埋め込み型電子機器の改良など、すでに多くの研究開発が行われています。
今後も新しい機器の製造、病院や在宅医療への供給の増加に伴い、健康の監視と維持に関連するコストは減少していくはずです。
日本は、従来「ものづくり」で培ってきたセンサーなどを含む微細な技術と、医療面でのノウハウとの有機的な融合が今後の課題であるが、このような技術的な問題だけではなく、制度、既得権益など多くの課題がありなかなか進まないのが現状です。
イスラエルの方に話を戻すと、 2005 年には、デジタルヘルスに携わっている企業は約 65 社でした。その当時でもイスラエルには医療機器、治療薬などの会社が 1000 以上あり、そうした企業が、デジタルヘルス領域へ転換を図っていったこともあり、その数は、2018 年では、400 を超えていますが、そうした企業の半分は、まだ研究開発段階にある企業です。
2018 年に発表された新興企業向けの2億6,400万ドルの国内デジタルヘルスプログラムを含む、政府の支援も発表され、イスラエルでは、この領域に関しては転換点にあるでしょう。多くの連携可能性も探っているでしょう。

一時的な不安を取り除いたり、継続的なデータ収集や治療の経過観察等に役立つ技術と考えますが、実際の診療と同等に値する技術やデバイスもイスラエルのスタートアップでは昨今作られていますか?
また、そのための法整備はイスラエルではどのように行われているのでしょうか?

イスラエルでは、その国民性と起業家文化の観点から、恐らく可能性があることはすべてチャレンジしていくでしょう。例えば、診断時間を大幅に短縮したり、救急車、緊急治療室、診療所の状態を正確かつ迅速に解読するためのイメージングテストの分析のための人工知能プラットフォームなど、さまざまな技術を開発しているイスラエル企業は数多くあります。
がんの検出や治療など、検査や重要な治療をより効果的にする試みも始まっています。法整備に関しては、まず、情報共有の重要性が言われています。いきなり法整備ができるわけではありません。また、一機関が情報共有の重要性を叫んでも難しい側面があり、その点、イスラエルの場合は、デジタルヘルス分野の世界的リーダーを目指す政府のイニシアチブがあります。
多数の医療機関および医療関係者を考慮すると、必要な時に正確な情報を受け取ることができることは現代の健康システムの大きな課題です。

– 臨床医は、重要かつ正確な医療情報を直接かつ迅速に最新の状態に保つことができる。
– 情報を得ることは、複雑な病状の患者や患者が自分で情報を提供することができない状態においては特に重要です。
– 情報の伝達は、誤診療の防止に大きな助けとなります。
– 情報を共有することは、不必要な試験の繰り返しを減らすことができ、それにより、患者への不必要な放射線への曝露のような苦しみ、不快感、さらには損傷さえも防止します。

こうした情報共有の重要性を関係機関に共有し、情報共有の重要性を政府が主導していくことがその一歩と考えています。

本日はありがとうございました。

本インタビューは2部構成です。前半はこちら

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