どうテクノロジーの流れを読むか | Isratech / イスラテック

どうテクノロジーの流れを読むか



どうテクノロジーの流れを読むか

1-6では、エコシステムの定点観測による変化を示しました。どう時代の流れを読むかです。ここで読み違えたくないことは、ブームで終わるテクノジーのトレンドか、そうでないトレンドかです。ブームが終わった後、いわゆるテクノジー全体の流れに組み込まれていくか見極められるかどうかです。ブームが去ると、メディアから情報量が明らかに減ります。ただ、テクノジー自体の客観的な重要性は何ら変わりません。相対的な価値が下がっているだけです。あるイノベーションが、テクノロジーのインフラのようになっていくと、何事もなかったかのようになります。そのイノベーションの恩恵には預かり続けます。

1 つの事例、モバイルアプリ勃興期についてみていきましょう。ポイントは、2 つあります。モバイルアプリの場合は、明らかにスマホの普及に伴い 2012 年頃まで企業数が増加し続けました。2007 年のブーム黎明期は、「インターネット環境に接続できるだけのアプリ」が多かったところが実情です。その後の傾向として、相互接続環境が整いクラウド上でも情報処理をして、付加価値を出すアプリが徐々に登場してきます。2007 年当時に、ただのアプリなのか、いわゆるアプリが動く以外のところの処理に付加価値が高い企業を見極めるのは至難の業でした。2020 年の現在では、当然、付加価値の薄いモバイルアプリ自体は淘汰されています。

2007 年に iPhone が登場したことで、それ以降音楽で起きたことはほかのトレンドにも波及しました。当時ビックトレンドとなったきっかけは、音楽でできたら音楽以外のことでもできると多くの人が考えたからでしょう。そしてこのアプリのトレンドは、もはや常識となりました。読みにくいことは、3G という通信インフラ技術が普及することで、トレンドは起こると推測はできても、トレンドが「いつ」起きるかは読み切れませんでした。歴史をたどると、2012 年ぐらいまでが、モバイルアプリの全盛でしょう。それ以降は、明らかに設立される企業数が減り、メディアの扱いが変わりました。2012 年以降はトレンドではなく、テクノジー全体の流れに組み込まれました。

5G でも同じ問題に突き当たっています。5G 自体が取り上げられている時点では、ブームにはなっていません。3G の時のような衝撃は、もうないかもしれませんし、4Gの時もそうでしたが、5G の衝撃度は、消費者の私達にはそれほどまだ伝わってきていません。

2020 年以降、スマホの未来はどうなるかでしょうか。この流れの中で、今後 1 つ興りそうな兆候としては、「スマホのチップ化(更なる小型化)」でしょう。スマホ自体は残り続けます。ただ、歴史的には、相対的な価値は下がるとみています。これは PC などと同様に、テクノロジー全般に起こる大きな潮流です。古い技術を完全に破壊していくこともあれば、一般的にインフラまで普及したようなものは、そのまま残り続けます。エアコンが普及しても、扇風機は残り続けます。ただ、「スマホのチップ化(更なる小型化)」の波は、起こることは間違いないでしょうが、「いつ」「どう」起こるかは、非常に読みづらいです。私たちの視野では見えてないところで起こることも多いです。一過性の情報に左右されずに、どうテクノロジーを読むかは常に求められています。

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