高校生、大学生に向けて 前編 | Isratech / イスラテック

高校生、大学生に向けて 前編



加藤:私からお聞きしたいことは、以上でして、私に聞きたいこととか…。

江副:若い学生さんが見るんですよね?

加藤:はい、そういう人に読んでもらいたいと思っています。

江副:若い学生さんへは「もっと、勉強して下さい。」と、すごく言いたいですね。

加藤:(笑)

江副:いや、ほんとに。(笑)

あのー、私も勉強した人間ではないので、偉そうなことは、全く言えませんが、「社会に出て勉強したことは、役に立たないでしょ…。」とか、学生時代思っていました。

加藤:私も同じで…。大きな事は言えません。(笑)

江副:ただ、今、勉強をしてなかったことを、ものすごく後悔しています。

たとえば、「ネットサーフィンが面白くて、学生時代ハマっています。」ということであれば、なぜそのネットサーフィンが、どういう仕組みなのかを深く学ぼうとしないか。サービスを使いこなすことは、ウマいのだけど、1ユーザーとしての知識で、専門家になった様な気になっている若い人達がとても多くて…。

「その裏側がどうなっているのか?」と、聞かれた時に、手も足も出ない人たちが、結構多い。私の感覚だと、若い世代は、そういうことを知り尽くしている人たちが、新卒として入ってくる…、と思っていました。

加藤:それは、わかります。そうじゃないですよね(笑)

江副:自分よりも、その若い新しい世代は、TCP/IPなんて、下手したら、生まれた時からあったわけじゃないですか…。それを、勉強しなかったのか、問題意識がなかったのか、

知らないから利用者で終わっていて…。

加藤:TCP/IPを知らない子は結構いますよ。(笑)

私も以前勤めていた会社の新卒の子に、「TCP/IPって何ですか?」って聞かれて…。「えっ?知らないでIT企業に入ってきたの?」と面喰いました。(笑)

江副:知っていると思っていました…。

自分も38歳で、新卒で入ってきた22~23歳は、明らかに新しい世代であって、一回り以上も年齢が違いますから、そういったことは当たり前の常識としててっきり知っているのかと思いきや、知らない…。

それはすごく衝撃でした。

イスラエルへ行くと、若い新卒の子たちが、AeroScout 社へ来るじゃないですか。まぁ、言うまでもなくそんなことは当たり前に知っていて…。

「どこで習ったの?」と聞くと、彼らは、「そんな事、触っているのだから…。何でそんなこと聞くの?」ぐらいに、思われちゃって…。

加藤:彼らからしたら、裏側ぐらい調べるのは当たり前。(笑)

江副:理系の人間だから、裏側がどうなっているかは、興味津津で、教えられなくたってみんな知っているし、本でいくらでも読めるし、ネットで調べれば、そんな情報は無限にあるから、習わなくても、当り前で知っている。

「SIPサーバー立てられる?」って聞くと、普通に立てて、VoIPフォンとか、全部フリーでできるから、サクっと立てちゃう。そういう事が、普通の人たちの中で、競争して起業するのか、と思うと…。一利用者で終わっていて、「携帯料金払うために、バイト明け暮れていました。以上。」っていう人が多い気がして。

江副:せめて、IT系、電気メーカへ進むのであれば…、それは知っていてほしい…。

それと、プログラムは組めて当たり前だと思ってほしい。それは、「プログラマーへ任せれば…」と思っている様でが、それは、ちょっと違っていて、ちょっとした事は自分でカチカチ作れるぐらいで…、それぐらいが、普通であってほしい。

私は、1982年に10歳で、そこからプログラミングを始めています。

でも、それは、珍しくもなく、新卒で入った企業は結構大きい会社でした。本社にいる技術系のメンバーは、そういう人間がゴロゴロいて、プログラミングは普通にできる人ばかり、その上で、もっと上の議論をしていましたね。

そういう人たちが、何世代か下になったと途端に減りだして…。少子化で単に絶対数が減ったのかもしれないですけど、それにしても減った…。

加藤:それはですね…。

私の高校の担任でしたI先生に、2~3年ぐらいに1回ぐらいに会い行っているのですけど、その先生がおっしゃっていた事は、

「今の学生は、教師を始めて30年ぐらい見ていて、いわゆる一流大学、東大、京大、早稲田大とかへ入るようなTOPの人のレベルは、20~30年ずっと変わらない…。ただ、中間が間延びしてしまって、つまり、絶対数が少ないから、競争しなくて、さほど頑張らなくても、それなりの大学へは入れてしまう。」と。

江副:なるほど。

そうかもしれないですね。学校の数も、むしろ増えていますからね。

加藤:間延びしてしまって、全体が落ちてしまっている。20~30年ずっと同じ立場で見ていますから、確かだと思います。

江副:そういうことか…。

加藤:その先生から「衝撃だよ…、一人の先生の力で何とかできるレベルではない…。」って言われまして…。

江副:社会構造の問題もあるでしょうね。

ただ、自分は、全然上のランクにいたわけでもないですし、恐らく中の下ぐらいの人間でした。そういうリテラシーというか、興味を持った分野は独学で学んでいた訳ですよね。そういう人ってそれなりの絶対数いてもいい気はしますが…。

20~30人ぐらい面接すると、言葉が通じなくて苦労します。

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