[スタートアップ紹介Vol.28]AltairSemi | Isratech / イスラテック

[スタートアップ紹介Vol.28]AltairSemi



人・企業・家庭・工場など様々な場所が小さなチップによって情報を受け、管理されている。4G から 5G 時代に突入する中で、より多くの情報を運び管理していくことになるその小さなチップの精度と需要は比例する。そのためにスタートアップは凌ぎを削っている。


URL:https://altair-semi.com/

ソニー株式会社のグループ企業で、イスラエルを拠点とし、高性能で低消費電力、低コストな IoT 向け LTE モデムチップを提供している。
Altair Semiconductor について伺ってみた。

今回、Altair Semiconductor とは、そもそもどんな会社でしょうか?

イスラエルに本拠を置くAltair は、モバイルデバイス用の 4G の標準であるLTE(Long Term Evolution)のモデムチップテクノロジーと関連ソフトウェアを所有しています。Altairは、LTE テクノロジーに焦点を当てた製品を開発および販売しており、そのモデムチップは、低消費電力、高性能、および競争力のあるコストで際立っています。

そもそもで、申し訳ないですが、LTE について教えていただけますか?

LTE については、3G から 4G に移行するとき話題になりましたが、いわゆる低遅延の無線通信技術です。LTE-Advanced と言われるものが、所謂 4G の規格ですね。

ありがとうございます。そもそも、こうしたチップの開発によってどのような事が可能になるのですか?

同社の 4G チップは、WiMAX、LTE、XG-PHS などの通信プロトコルを使用して、セルラーおよびタブレットデバイスとIoT(モノのインターネット)の消費電力を最小限に抑えながら、高速の通信機能を提供することが可能となります。

高速通信機能を、最小電力で実現することにより、IoT などの世界で無数に拡大していくデバイスの数に対して、対応していくことが可能になります。

これまでのチップとどのように異なるのでしょうか?

Altair のチップが登場する前は、2G および 3G チップの機能が不足していたため、テストと認証の観点からは、コストと認証とテストの労力が削減されていました。

キャリアからのテスト計画には、常に LTE 部分と 2G / 3G / 4G 部分が含まれ、多くの場合、これらの異なるテクノロジー間のインターワーキングとハンドオーバーが含まれます。 LTEのみを使用している場合、テスト範囲が大幅に削減されます。それははるかに短い時間であり、より安価です。

わかりやすく言うと、2G / 3G / 4G で提供する通信網(アンテナ、回線、端末)が違う場合、それらをうまく統合していく必要があります。

調べてみて驚いたのが、Sony グループであることでした。
2016 年に買収しているようですが、いつ頃からどのような形で Sony と協業を初めていたのでしょうか?
また、Sony が買収するメリットはどこにあったのですか?

Alcatel-Lucent(フランス)、MediaTek(台湾)、Samsung(韓国)は言うまでもなく、LTE 時代の以前から半導体業界リーダー Qualcomm や Intel のような巨人との競争に直面している企業は、独自のデバイスを製造しているため、Altair のチップは必要なかったでしょう。
これは、推測になりますが、Sony以外の選択肢がなかったかもしれません。

2015 年 11 月、Altair は Infotmic (中国)からの 5,000 万ドルの投資提案がありましたが Altair は受けなかったようです。

その後、2016 年 1 月に Sony が2億1,200万米ドルで買収しました。

Sonyにとって大きかったことは、これによって自社のデバイスに Qualcomm や Intel と並ぶ事ができる大きな戦略的利益を得る事ができたでしょう。

なるほど…。

もう1つの利点は、中東のシリコンバレーであるイスラエルの根幹である半導体業界のこの地。

Intel、Qualcomm だけでなく、GAFA なども同国の半導体関連の企業は買収しており、半導体業界の世界の頭脳のポジションを確立しつつあるこの地で Sony に足場を与えたことでしょう。

現在、Sony は、Altair のビジネスを拡大し続け、グローバルナビゲーション衛星システム( GNSS )やイメージセンサーなどの Sony のテクノロジーと Altair のモデムチップを組み合わせて、新しい種類のセルラー接続のセンシングコンポーネントデバイスを開発しています。

これからの 5G 時代にどのような活躍を見せてくれるでしょうか?

5G の世界ではこれまでの世界以上に、同時多接続、遠距離、様々な領域での通信が行われるようになります。また、扱われる通信波も様々なものが登場し、組み合わせった環境で通信が行われてくるでしょう。

さまざまな補完技術により、Massive MIMO ( Multiple-input,Multiple-Output )、高度な LPDC ( Low Density Parity Check )、ビームフォーミング、ミリ波無線周波数など、5G の世界の利便性がより高まります。

少し専門性が高くなってくるお話になりますので、本日はこのあたりにしましょう。

承知しました、本日は、ありがとうございました。

URL:https://altair-semi.com/

※イスラエルでは、こうしたスタートアップが 6000 社以上存在するといわれております。
弊社では、こうした企業の調査、目利きを行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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