[スタートアップ紹介Vol.30]Storedot
リチウム電池のように、より効率的・効果的なエネルギーや蓄積技術が開発されればより世界が発展することは確かであり、環境にも優しくなるはずであろう。
URL:https://www.store-dot.com/
リチウムイオンよりも高効率なフラッシュバッテリー技術の開発を行なっている StoreDot について伺ってみた。
StoreDot とはそもそも、どんな会社でしょうか?
同社は、一般的なリチウム成分の代わりに有機化合物を含む独自の材料を使用して、バッテリーの安全で迅速な充電と性能の向上を可能にしています。さらに、バッテリーの有機化合物はこれらのサイクル中に金属化する可能性が低く、内部の電気的ショートのリスクを減らし、バッテリー寿命を大幅に延ばすとしています。
確かに、スマホは便利になっても、充電が切れたら意味ないですし、電車(モバイルスイカ)乗っていて、電池が切れたら電車を降りられないや、スマホをずっと使いたいがために、携帯を充電するためにカフェに入る、充電バッテリーを持ち歩くというようなことは、全然スマートではないですからね。
その中でも、充電時間を圧倒的に短縮してくれるのは、画期的ですね。
そもそも、フラッシュバッテリーはリチウムイオン電池よりはるかに機能的かつ効率的ですが、リスクはないのですか?
フラッシュバッテリーシステムは、わずか 5 分間で実行するのに十分な電力を充電します。フラッシュバッテリーアーキテクチャは十分な充電/放電サイクルにも耐えるため、携帯電話の耐用年数の間にバッテリーを交換する必要なく、高速充電が継続的に可能です。競合する技術は、重金属および有毒金属に基づいていますが、StoreDot の有機化合物は無毒で環境的に安全かつ、容易に入手できるため、わずかなコストで製造する事ができ流のでコスト的にも安心です。
この辺りはまだ、何千何万のバッテリー等で導入が進んでいくと、いろいろ成果や課題も見えてくるでしょう。
モバイル充電器や EV への使用用途以外に今後考えられる活用方法はありますか?
フラッシュバッテリーは、放出物がなく安定した動作温度で使用できるため、食品、飲料、ティッシュ業界の機械、特定の気候条件の冷蔵システムやその他の環境に最適なリチウム電池です。非常に多様な環境での使用が可能であり、メンテナンスの必要もないため、運用コストも抑えることができます。そのためリチウムよりも幅広い活躍が期待されます。
非常に興味深い開発が進んでいると思いますが、リチウムイオン開発は、そもそも、電池の開発ではなく、純粋な材料研究としてのポリアセチレンの研究から始まり約 32 年かかったと言われています。このフラッシュバッテリーが実用化されるまでにはどの程度かかるのでしょうか?
中国のEVE Energy Co.は、家電向けのStoreDotのフラッシュバッテリーテクノロジーの第一世代の量産を開始し、わずか 5 分でのフル充電を可能にしました。中国市場向けの生産に最初に焦点を当てた EVE は、グローバル展開もサポートしています。このパートナーシップは、電気自動車( EV )で使用するために設計された StoreDot の第 2 世代フラッシュバッテリー技術の生産にまで拡張されましたが、開発と実用化には多くの時間がかかっています。短縮してきた要因は多々あると思いますが、1 つには、一昔前に比べ、『研究』→『開発』→『実用化』までの時間が圧倒的に短くなってきた感じ、1980 年当時に比べ環境負荷を減らす技術への大きな期待値があるなど、時代背景も影響しているでしょう。
日本人の開発したリチウムを応用したものですが、イスラエルではバッテリーに関する技術でその他にどのようなものがありますか?
リチウム電池の主な用途はバッテリーですが、様々なニーズに合わせて異なるリチウムベースのバッテリーや関連技術を多くの企業が開発しています。
例えば、ALGOLiONは、リチウムイオン電池の寿命を延ばし、安全上の危険を防ぐための早期警告スマート診断ソフトウェアを開発しました。リチウムイオン充電式バッテリーでは、劣化や火災の問題がありますので、その問題を解決するように設計されています。
同社のターゲット市場は、家電、航空、電気自動車、防衛産業です。今後この市場はまだ伸びていくでしょう。
なるほど、本日はありがとうございました。画期的な技術は、技術そのものだけでなく、その技術を必要とする社会があって、大きく花開いていくのですね、大変ためになりました。
URL:https://www.store-dot.com/
※イスラエルでは、こうしたスタートアップが 6000 社以上存在するといわれております。
弊社では、こうした企業の調査、目利きを行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
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