変化を予測する重要性 | Isratech / イスラテック

変化を予測する重要性



変化を予測する重要性

変化に対処する際は、「本当にその変化に対処するのは、まだ早いのか」「変化はいつ起こるのか、その兆しは何か」「何がどうなったら自社は注目しないといけないのか」「アクションしないといけないのか、整理できているか」など様々な問題があります。そのツボをどうやって掴むのかという話で、2 つほど実例を紹介します。

私は、変化をどう察知するかの方法としては、「定点観測」をお勧めしたい。
なぜか。
一時一時で見ていては、実際何がどう起こっているかを把握すること自体はできても、その変化自体を察知することは難しいからです。「なぜその変化が今起こるのか」「なぜ起きるのか」がわかってこそ、変化の「察知」でしょう。

たとえば、「ベルリンの壁の崩壊は予測できたのか」は良い例でしょう。朝日新聞出版の宇留間和基社長( 2010 年当時)にお聞きした話ですが、当時 AERA は、ベルリンの壁崩壊予測の記事を 1 か月前に書き上げています。現地記者は、現地の新聞雑誌を定期購読をしていました。いわゆる、定点観測をしていた中で、突如「民族」という言葉が出てきた。「民族」というこれまでにない言葉が初めて出てきて、記者の問題意識に引っ掛かかりました「なぜ、これまで使われなかったのか」に気付いたことで、予測記事へと繋がっていきます。いわゆる潮目が変わったことを如実に表現した「民族」という単語を掴まえることができた。これは、問題意識をもった定点観測をしていないと潮目を変えるような兆しを察知できない事例です。

もう 1 つは、2020 年の現代で当たり前になってるスマートフォンの普及を予測できたのか。イノベーションもそうですが、浸透してしまえば当たり前になります。結論を先に言えば、テクノロジー業界においては、どうしても、ステークホルダーが多いです。他業種の製品群、サービス群を 1 社単独で完結することは無理といっていいです。

その中で変化を「察知」するには、どういう変遷スピードで変わっていくのかそのシェアを把握できるポジショニングにいると強いでしょう。「シェア率の増減で変化の大局を読む」。今後起こる重要な価値連鎖の小さいところの一角でもいいから確保しておくことです。そのための戦略としては、そのシェアを確保し続けられるため「価値連鎖のキーになるポジションで、独自のイノベーションを強化し続けておくこと」でしょう。その価値連鎖から置いて行かれるようなことが起こると把握することは厳しくなります。スマホでいえば、その小さいところの一角でも価値形成に入り込んでおくと、普及率の数値変化を読み解くことで、変化のスピードは捉えやすくなり、読みやすくなります。そのため、変化のスピードが急激に変わったときの対応も比較的容易でしょう。遅いのか速いのか、変化しないのかも分かります。

一方で、いわゆる変化を興すであろうものの指標(数値)がないと、(ここでは数値の普及率)「そもそも、変化が起きているのかわからない。どういう変化が、どの領域で、どう起きているのかと全てわからなくなる」から当然、自社が重要であると考えているにもかかわらず、その変化に対応していくことができなくなります。変化が激しい時代では、その「兆し」をある程度捉えるには、自社が重要と考えるバリューチェーンの一角の「小さな一角」の死守は重要になります。

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