[スタートアップ紹介Vol.62]Aquarius Engines
自動車の輸出大国日本だけでなく、世界中で効率的かつ環境に配慮したエンジンの開発が行われており、近年は特に開発競争が激しくなっている分野でもあります。
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今回は、イスラテックインターンが、従来のエンジンと異なり、高効率設計、小型化、長期メンテナンスサイクルがフリーピストンリニアエンジンの開発を行う「Aquarius Engines」について、代表加藤に伺います。
Aquarius Engines は、そもそも、どんな会社でしょうか?
同社は、重量がわずか 10 kg の両面フリーピストンリニアエンジン(FPLE)を開発しました。フリーピストンエンジンとは、線形の「クランクレス」内燃エンジンであり、ピストンの動きはクランクシャフトによって制御されるのではなく、燃焼室ガス、リバウンド装置、および負荷装置からの力の相互作用によって決定されます。同社のエンジンは、車両の車載発電機として、または一般発電機として使用できます。
具体的にエンジンとピストンはどのようなものなのでしょうか?
同社のエンジンは、バルブレス800ccシリンダー内を往復する単一のリニアピストンであり、ストロークごとに非常に低い排出量で、電磁コイルから電力を生成します。
リニアピストン、初めて聞きました。車などに最適なサイズもあるということですが、これを搭載することのメリットは何でしょうか?
何百もの部品でできている従来のエンジンとは異なり、Aquarius のエンジンはわずか 20 のコンポーネントと 1 つの可動部品でできています。 軽量でシンプルな設計により、従来のエンジンと比較して、メンテナンスの必要性を最小限に抑えながら、安価で高効率で使用ができるため車の価格を抑えることにも繋がります。
企業としてもエンジンの高効率化は課題の一つですね。日本の企業と提携を結んだようですが、今後どのような展開が考えられますでしょうか?
同社は最近、水素燃料電池と化石燃料の両方に依存する新しい水素エンジンを発表しました。 同社の 10 kg 程度の機械は、元の特許取得済みのシングルピストンリニアエンジンと同じ技術に基づいていますが、水素のみで動作します。新しい水素エンジンの軽量設計と独自の内部ガス交換法により、排出量が大幅に削減され、世界の二酸化炭素排出量が削減されると提言しています。どの程度の削減が可能になるかは不明ですが、日本でも水素エンジンの開発が進んでいますし、国産車がより低コストかつ環境に配慮された仕様になっていくのではないかと思います。
このエンジンを使った、その他の可能性も教えていただけますでしょうか?
同社のフリーピストンリニアエンジンは、コストとエネルギーを節約できるため、飛行機や船などのさまざまな長距離移動用の大型車両に役立つ可能性があります。また、同社のエンジンは、従来のクランクシャフトベースのエンジンの代わりに、レンジエクステンダー付きの電気自動車の発電機として、またはフルシリーズハイブリッドを運転するための大きな可能性を秘めています。
開発競争が激化している業界に一石を投じる企業がやってきましたね。
日本の自動車産業にも影響を与えていくと考えられますので、とても期待していますし、今後も目が離せませんね。
本日はありがとうございました。
こちらこそありがとうございました。
URL :Aquarius Engines
※イスラエルでは、こうしたスタートアップが 6000 社以上存在するといわれております。
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