[スタートアップ紹介Vol.40]Alpha Tau
イスラテックインターンが、これまで利用されてこなかったアルファ粒子を用いた癌治療の技術を開発してる 「 Alpha Tau 」について、代表加藤に伺います。
Alpha Tau とは、そもそも、どんな会社でしょうか?
Alpha TAU は、固形腫瘍の治療にアルファ線を使用する企業です。基本的に近接照射療法では、ベータ線またはガンマ線を使用していますが、アルファ線をコントロールすることは非常に難しく、治療に適していませんでした。
ただ、Alpha TAU が開発した技術によってそのコントロールが可能になりました。
なるほど、放射線源が異なり、また治療に不向きだったものを改良し利用できるようにしたということですね。では、具体的にアルファダート治療とはどのような仕組みなのですか?
アルファダート ( ≒Alpha DaRT「Dіffusіng Alpha-emіtters Radіatіon Therapy」 ) では、さまざまな種類の固形腫瘍に対して、腫瘍内部にて放射性物質が崩壊する際に放出される高精度のアルファ線を使用します。
この短距離アルファ粒子は、周囲の健康な組織を温存しながら癌細胞を効果的に攻撃します。
治療は、ラジウム 224 原子を含む Alpha DaRT シードの腫瘍内挿入によって行われます。 崩壊の過程で、ラジウム 224 は、短命なアルファ放出原子を腫瘍に放出します。
アルファ線の特徴として、元素ラジウムの特定の同位体を介して放出される際、少し移動することができるのですが、この特徴を利用した拡散と対流によって、これらの原子は治療部位に分散し、腫瘍内部に高線量の放射線を送ることが可能になりました。
実際の効果はどの程度ですか?
70%ですか。すごいですね!
これだけ優れた機能を要する技術ですが、イスラエル以外の国で承認されているのでしょうか?
現在では、カナダ、フランス、イスラエル、ロシア、さらには日本などの乳がん、頭頸部がん、皮膚がんを対象とした臨床試験を実施、開始されており、2020 年中に利用可能になる予定のようです。アメリカには、現在支店はありますが、Alpha DaRT が他国での治療に承認されているかどうかに関しては公開情報はほとんど出てまいりません。
そうですか。多くの患者が救われる効果的な技術が世界に拡散され、認可が広まっていくのが楽しみです。これまで難しいとされて、アプローチできない方法にトライするようなイスラエルのスタートアップには、もっと注目していきたいですね。
本日はありがとうございました。
※イスラエルでは、こうしたスタートアップが 6000 社以上存在するといわれております。
弊社では、こうした企業の調査、目利きを行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
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