イスラエルとシリコンバレー④ | Isratech / イスラテック

イスラエルとシリコンバレー④



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加藤:1985年っていったら、私、5歳です。

石井:1985年ね。はい、はい。今おいくつですか。

加藤:今年30歳でして、私たちが20歳過ぎたあたりからは、シリコンバレーはハイテク企業の集積地、ベンチャー企業のメッカ、だということが、日本語の情報として入ってきていました。

石井:入ってきて、もう、「何を今さらシリコンバレー」、こういう感じですか?

加藤:いえいえ、そういうことではなくて、「そういうところがまずある」という情報がありました。

石井:情報は、もう、ギブンだと。

加藤:それで、梅田さんとか…。

石井梅田望夫さん?

加藤:そうです。

梅田さんのようにご自身の著者やブログで情報を発信する方がいないと、「シリコンバレーで何が起きているか」実際にビジネスやっていない人にとっては、そもそも分からないことじゃないですか。

石井:うん、うん。

加藤:そのなんというか、知らない人が知れるような活動をやってこられたっていうのは、やはりすごいと思うんです。

石井:梅田さんとかね、よく知っていますけど、彼らがする前に、もっと早く、最初に本を、僕が書けばよかったですけどね。今ちょっと後悔しています。

加藤:まあ(苦笑)。

石井:でも実務レベルでは、実際そういうことをやってきたわけですよ。だから雑誌のインタビューだとかね、講演とかはしょっちゅうやっていますよ。

加藤:ところで、ベンチャークレフの宮本さん、ご存知ですか?先日、宮本さんのEmerging Technology Reviewというご自身のブログで、イスラエルのスタートアップ企業を紹介していました。(該当記事のリンク・※ 感情を読み取る技術 (DEMO Spring 10より)

宮本さん以外の方に連絡をとった際も、逆に私のほうがヒアリングされてしまうこともあります(笑)。

石井:ええ。

加藤:「何かイスラエルで面白い企業ないんですか?」と質問されます。

そういうこともあり、「シリコンバレーでは、イスラエルって、やはり影響力があるのかな」というのが私のイメージでして、シリコンバレーでもやはり気にされているんだと、少し驚いた事を今でも覚えています。

石井:シリコンバレーで、イスラエルがですね。うんうん。

加藤:石井さん、1985年当時シリコンバレーに行かれた際、当然、イスラエル以外の国からも人は、来られていたと思うんですが?台湾とか、インドとか。

石井:そう、そのころもね、来ていましたよ。ただ、1985年くらいはまあ、まあどっちかっていうと「頭脳流出」ですよね、まだね。

「頭脳流出」というのは、台湾から来て、それなりのことを勉強して、じゃあ国に帰ろうとしたら、国に帰っても、職がないわけですよね。国に帰って云々っていうのもできないですし、それからインターネットもその当時なかったですから、情報の伝達も遅いし、行きっぱなしになってしまいっている状態を、いわゆる「頭脳流出」になっていたと。

→ 『最新・経済地理学/アナリーサクセニアン著』 に詳しい。

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だけど、今はもう、「頭脳循環」になっているということで、ずいぶん違いますよね。

加藤:うんうん。

石井:だけど、当時インドだとか台湾とかから、まあ今ほどじゃないにしろ、来ていたか来てないかっていう話では、来ていましたよね。

加藤:現在のビジネス情報のデータのやりとりを考えると、テレビ会議もないから、電話で、しかも、その電話も繋がるか分かんないし、じゃあ何か、プログラムソースコードを送るにしても、CDに焼いて、航空便で送るということになる。

石井:ああ、そうです。当時は、今とは、環境が全然違いますね。

加藤:今は全部オンラインでできることが、当たり前になっている。

石井:そうです。全然違います。地理的な距離というのは、ほとんど克服されちゃっていますよね。そういう意味ではね。

加藤:そう思うと、今はすごい時代ですね。

石井:そうですねえ。95、96、7年。ちょうどあの頃を境に、ガーっとやっぱり変わっていったと思いますね。

話が戻りますが、85年くらいというのは、そういうことをはじめた人というのは、私ともう2人ぐらいですね。90年代に入ってから、日本から、いろいろな人が来まして、90年代の後半だったと思います。

今出たあの梅田望夫さんなんかもそうですね、こう結構いろんな人がその頃シリコンバレーで何かやってみたい、という人が多分増えて。それから2000年すぎて、また来ましたね。だから、今までいくつか波がありましたね。

加藤:インタビューの趣旨にもどります(笑)。

石井:はい、どうぞどうぞ。時間も限られていますから、どんどんいきましょう。

加藤:イスラエルでは、1980年代後半に政権が変わり、外貨を積極的に入れようということで、税制が変わり、VCをどんどん作っていこうってことで、1993年ぐらいにVC産業が興りはじめ、ベンチャー企業をどんどん育成しようとことになっていきました。今では、もうご存知の通り、「中東のシリコンバレー」と言われるぐらい、ハイテクが盛んな国家です。

石井:ええ。

加藤:もう海外から目を引かれるようになっています。石井さんシリコンバレーに25年ほどいらっしゃって、会社設立当初から80年代後半、90年代、2000年にかけて、何かイスラエルを感じるようなエピソードとかございますか。

石井:その当時、まあ何人かいましたけどね。たとえば、エフィ・アラズィ ( Efi Arazi ) とか。EFIって会社ですけどね。EFIは (Electronics for Imaging)の頭文字でもあります。うまくつけた社名ですね。要するに今と一緒。はしりとしては、やっぱりイスラエルの技術をもって、イスラエル発の技術だけれども、事業展開はシリコンバレーにして、やりましょうと。それをもって世界に展開していく人は、何人かいましたね。

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