イスラエルとシリコンバレー⑥ | Isratech / イスラテック

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イスラエルとシリコンバレー⑥


加藤 : いえいえ、とんでもありません。辻様のリズムで話していただいて問題ありません。

ところで、イスラエル人にはあり、日本の技術者・ビジネスマンが持っていない視点というのは、何かありました。たくさんあるとは思うのですが…。

辻 : 1 つあげるとしたら、日本の技術者へは、失礼な言い方になるかもしれませんが、イスラエルの人は「人と違う所に価値観を求める」がありますね。

イスラエルの人が、みんなそうかといったら、多分違うと思いますが、どうしても、日本の技術者は先ほどの会議の話と同じで、「これが、メインストリームだ。」という事になると、どうしてもそこを中心にやろうとする。

イスラエルの人たちは、「主流の所をやっていても、欧米や日本には勝てない。」と思っているかはわかりません。ただ、実に発想豊かにいろいろな事をやられていて、多くの失敗があっても、イノベーティブな技術がでてくる。

やはり、教育の仕方から違っていて、イスラエルに限ったことではないですが、欧米でも共通する事でしょうか。米国の幼稚園や小学校の低学年では、「ショウ・アンド・テル( show and tell ) 」というプログラムがあります。自宅にあるものを持ってきて、皆の前でお話をするプログラムです。特別ではないことであっても、きちっと説明し、自己主張する。その過程で、普通の事でも、あたかもイノベーティブに主張する場合もあり、それを許容する教育体制になっていると思います。周囲には流されず、自分が面白いと思ったら突き進むという特性が、イスラエルの国民性としてあるかもしれません。

加藤 : たとえば、日本の人とイスラエルの人の頭の良さを比べた時に、恐らくどちらかが頭がいい悪いということではないでしょうから。

 価値観の多様性という言い方が適切ですかね。

日本は、同一の価値観ということが多いですよね。イスラエルも含めて、欧米の共通点は、やはりこの多様性ですかね。

加藤 イスラエルはご存知の通り、中東のシリコンバレーと言われ、日商エレクトロニクス様も、米国のシリコンバレーにオフィスを持たれていて、どちらもご存じだと思うのですが、イスラエルとシリコンバレーの違う所は何でしょうか?

辻 : 米国のシリコンバレーは、R&Dのみならず、ビジネスディベロップメントの領域まで全てやります。アントレプレナーの塊。敢えて言うと、イスラエルのシリコンバレーはR&Dに特化している。特化というか、中心ですね。

欧米の大手のグローバルな企業のR&Dセンターが、ほとんどありますよね。

ただ『そこで、ビジネスをクリエイトしているのか?』と言われたら、そうではない。

加藤 : そうですね。

たとえば、そういった会社は、イスラエルでR&Dをし、米国、欧米など各国の本社、研究開発をまとめる所へ、成果を上げていますからね。いい技術であれば、採用していく。Intel とか。

辻 : Intel 社のチップなんかは、イスラエルで開発したものが採用されていますよね。今、いくつか工場がありますよね?

加藤 : 現在、2か所に工場を構えていて、7000 人を雇用しています。1 つのペター・ティクバ(= Petach Tikva )は、1999 年に買収した、DSPC 社の場所ですね。 (※2016年10月時点、インテルの拠点は、6 箇所従業員は、1万人を超えると言われています。)

最後にお聞きしたい点で、日本の技術系のベンチャーがイスラエルの会社とビジネスをしようとする際、失敗しそうな事、障害になりそうな事というと、まず、何でしょうか?

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辻 : 成熟した技術や製品というのは、恐らくそうした時に対象にならないでしょう。

新しいイノベーティブな商品・技術が対象になるでしょうから、気をつけなければいけないと思うのは、『ディベロップメント(=開発)のデフィニション(=定義)』でしょう。

イスラエルの人が、

『We have already developed …』と言ったとしても、嘘はないと思います。

だけども、日本の感覚で言うディベロップメント(=開発)と、イスラエルの方がいうディベロップメントは、デフィニション(=定義)が、違う場合が多く確認することが必要です。先ほど申し上げた通り、日本だと 99 %ぐらいまで開発して、一部のバグがあるかもしれません。という所が『開発完了』というマイルストーンになりますが、イスラエルの企業は、すべてとは言いませんが、概ね、8~9割ぐらいまで来たら、『開発完了』との言い方がされます。

たとえば、イスラエルの開発先では、日本のQ&A制度は有名ですね(笑)

あるイスラエル企業に言わせると、日本の大手メーカーは、いろいろなシミュレーションで、『What if…』、つまり、『次がどうなりますか…?現実的な環境はないのだけど、たとえば、たとえば、たとえば…』を繰り返し聞いてくる。

実際、そこまでQ&Aを合格していくイスラエルの会社は少ないでしょうね。イスラエル人からしたら、『そんなQ&Aがあるなら、日本の自動車を買おう。』というエピソードもあるぐらいです。

日本の企業は『 What if ? 』が多すぎて、そんなハイポセティカルな(=Hypothetical≒仮説的な)事ばかり言っていても仕方がないので、「問題が出てきたときに対応すればよい」ということなんですけどね。日本がいいとか、悪いとかいうことではなくて、日本で売るためにはそういう事が必要になってくる。そこのギャップがある。このギャップは日本の弱みになっているかもしれない。

だけども、今から20年ぐらい前に、我々が台湾のEMSで物を作ってもらう時も、同じ問題はありました。台湾の人達は、盲目的に日本の言う通りやってきましたよね。だから、品質面ではものすごく上がっていって、今の台湾の成功がありますよね。どこへでも安心して発注ができますからね。

たとえば、部屋の隅に掃除機をかけても、いくらでもゴミは出てくるわけだから、「いつまでやっているの?」という所が、日本は若干ありますよね。どこかで、見切りをつけていかないと、ガラパゴスと言われ続けるかもしれません。

加藤 : ありがとうございます。

私のミッションは、クリアしました。本日は、お時間いただき、誠にありがとうございました。

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